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私がセコいことはみなさんもご承知かと思いますが、入院中もやっぱりセコい生活をしていました。目の前で開封される医療用の針や管を指差しては「あれは使い捨てですか?」とたずねたり、ひと部屋ずつに売りに来る朝刊を全て断りつつも、談話コーナーに設置されている新聞の回収ボックスから新聞を拾って読んでいました。

病院の個室でテレビを見るには、2000円のテレビカードが必要でした。テレビと冷蔵庫が連動していて、ボタンを1回押すと24時間冷蔵庫が冷やされる仕組みになっていました。

私だって冷蔵庫にジュースやプリンを詰め込みたかったけれど「絶食」というプレートを置かれているわたしには冷蔵庫を冷やしておく意味もない。部屋をノックしたヤクルトのお姉さんが「絶食」プレートを見るなり、失礼しましたと立ち去ってゆく、そんな毎日でした。

テレビカードを買う気すらなかった私に、旦那さんが「プレゼントだ」と言ってテレビカードを手渡してくれ、「夜のゴールデンタイムの談話コーナーは意外と穴場だぞ」と言い残して去ってゆきました。さすが入院経験者は言う事が違うね。

テレビカードを手にしてもなお、ケチって個室のテレビを見ようとしない私は、「私が退院したら、数日後に旦那さんが入院するから、やっぱりテレビカードは使わないで残しておいた方がいいんじゃないだろうか」なんて貧乏性丸出しで、刺繍に打ち込んでいました。その頃に仕上がった作品をご紹介します。

↓バスケットにお花を摘んだクマさん。
Come On!!貧乏ミシン部
こちらも「ステッチ」に掲載されていたものです。残念ながら、図案は載っていなかったのでちょっとセコいのですが、掲載されている写真の目を数えて刺繍しました。

↓もともとブローチの図案でした。
Come On!!貧乏ミシン部
ほんの少し残っていた短い刺繍糸も、使い切って心も刺繍糸BOXもすっきりさわやか!!

↓続きまして第六作目のプレゼント。
Come On!!貧乏ミシン部
シンプルな図案ですが、色違いで3つ並べると程よいボリュームになりました。また、プレゼントを1つ刺し終えた後は、それを見ながら2つめ、3つめと進められるので、図案を見る手間が省けて楽ちんですね。

↓こちらはもともとコースターの図案でした。
Come On!!貧乏ミシン部
「ステッチ」に掲載されていたものですが、図案は載っておらず、目を凝らして目を数えました。左右対称で数えやすかったです。

↓これが私のハンディ刺繍セット。
Come On!!貧乏ミシン部
過去に折り紙ケースなどにリメイクしたファスナーポーチと同じものを使っています。刺繍カードもそのまま折らずに入るし、サイズとしてはちょうどよいですが、縫い直さないとファスナーのすべりが悪く、途中でひっかかるので、近日中に直したいと思っています。


刺繍で疲れた時は、ちょっとブラブラと部屋を出る事もありました。旦那さんのアドバイス通り、夕食後はそれぞれの部屋でくつろいでいる人が多く、談話コーナーはガラガラでした。私は一人でテレビを見て過ごすようになりました。一人、二人立ち寄っていく患者さんもいましたが2時間、3時間とガッツリテレビを見て居座るのは私くらいなものでした。

そうしているうちに、顔の丸さが「いい人オーラ」を際立たせてしまったのか、おじいちゃんに声を掛けられるようになってしまいました。最初のおじいちゃんのお相手をしていると、その様子を見ていた他のおじいちゃんからも話しかけられるようになり、とうとう、7人程度のテレビメンバーが集結。

談話コーナーの横を通るだけで、おじいちゃんたちが自分の座っている椅子の横を手でトントンとたたき、隣に座れと合図します。上下の歯を針金で固定され、口が開かないのに、喋って、喋って喋りまくっていました。基本的に、お互いの病気自慢がネタになっていました。

お見舞いに訪れた旦那さんが婦長さんに会釈をすると、「明るくて楽しい奥様ね。談話室があんなに人でいっぱいになって楽しそうにしているのを私も初めて見たのよ」と言われていました。

そーか・・・そうなんだ。よくある光景かと思っていました。

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